プログラミングにオブジェクト指向の考え方を取り入れることにより、様々なメリットを享受できます。本記事では、オブジェクト指向の考え方のうち、「カプセル化」について紹介します。
カプセル化の利点
カプセル化は、プログラム内のデータを隠蔽し、外部からの直接アクセスを制御するプログラミングの概念です。以下に、カプセル化の利点を紹介します。
データの隠蔽
クラス内のデータをprivate修飾子で非公開にし、外部からの不正なアクセスを防ぎます。これにより、データの整合性やセキュリティを確保できます。
構造や処理内容の隠蔽
外部からの操作に必要な最小限のメソッドのみを公開することにより予期せぬ操作を防ぎます。
アクセス修飾子の役割
public 修飾子
外部から直接アクセス可能なデータやメソッドを指定します。ただし、公開されたデータやメソッドは注意して設計する必要があります。
private 修飾子
データやメソッドを同じクラス内でのみアクセス可能に制限し、外部からの直接なアクセスを防ぎます。これにより、内部の実装を安全に隠すことができます。
protected 修飾子
カプセル化を保ちつつ、継承関係にあるクラスでのみアクセスを許可します。これは、基底クラスが一部の振る舞いを派生クラスに提供する場合に有用です。
サンプルコード
この例では、myPrivateField が private 修飾子で宣言され、外部から直接アクセスできません。代わりに、公開されたメソッドを通じて安全にデータにアクセスできるようになっています。
public class MyClass
{
private int myPrivateField; // privateなフィールド
// メソッドを介してprivateなフィールドを初期化
public void InitPrivateField(int value)
{
myPrivateField = 0;
}
// メソッドを介してprivateなフィールドの値を更新
public void UpdatePrivateField()
{
myPrivateField++;
}
// メソッドを介してprivateなフィールドの値を取得
public int GetPrivateField()
{
return myPrivateField;
}
}
ここでいう「安全にデータにアクセスできる」とは「クラス設計者が決めたルールでのみmyPrivateFieldを扱えるようになっている」という意味です。
たとえば myPrivateField の更新について、クラスの利用者は myPrivateField をインクリメントすることしか許可されていません。このようにして意図しないデータの破壊を防ぎます。
まとめ
本記事では、オブジェクト指向の考え方のひとつである「カプセル化」について紹介しました。